【今日の朝日新聞より】「消滅する私」がテーマの作品紹介。自分の「個」は保てているかな…? (2016.5.25-35面 文化文芸)

(文芸時評)消滅する「私」 あなたの「個」は大丈夫? 片山杜秀

今月の文芸誌は、はからずも、「私の消滅」といったテーマの作品が多かったようです。

記事では、津村記久子「浮遊霊ブラジル」、崔実「ジニのパズル」、三崎亜記「愛国の魚群」、中村文則「私の消滅」の4作品が紹介されていましたが、なるほど、確かにどれも自我について考えさせるような、面白そうな作品でした。

こうした作品が増えてみるのは、生きづらくて生きる意味を見いだしづらい世の空気を反映しているのでしょうか…?

記事文末を読んだ後、どきっとしました。私の『個』は大丈夫かな?

”自分は誰なのか。自律した個人として存在できているのか。ツイッターやラインにでも影響されながら魚群化していないか。あまりに過剰な情報を消化しきれなくなり、判断が停止していないか。自分に都合のいい媒体以外を無視して精神の鎖国を起こしていないか。何者かに洗脳されていないか。近代社会の思い描いてきた、主体的で判断力豊富で他人と意見調整のできる理想としての私の後ろ姿はもはや遠くに霞(かす)んでいるのでは?”

佐々木敬太郎


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