【今日の朝日新聞より】ハンガリー進む権力集中。日本も傍観者ではいられない。(2016.6.6-2面 総合2)

(憲法を考える)「3分の2」、進む権力集中 2010年ハンガリー、中道右派が大勝

野党の反対を押し切って新たな憲法を作る。チェック機関である憲法裁判所の権限を弱める。その一方で、メディア規制を強化する…。ハンガリーでは、2010年の総選挙で、中道右派が憲法改正に必要な「3分の2」の議席を獲得したことで、権力の一元化が進んでいるそうです。

新たに憲法に盛り込まれた規定からは、「個人の権利」より「民族や共同体を重く見る」思想が浮かび上がります。憲法学者は、「民族的な主張は、政権が権力を強めるための一つの手段」と捉え、「民族や共同体を強調することで、敵/味方という分断を社会に持ち込んだ。難民排斥の動きはその一例だ」と語ります。

一方で、トローチャーニ司法相は、「ハンガリーは政治的、経済的、道徳的な3つの危機に陥っていた。(中略)憲法裁判所の権限を弱めたと批判があるのは承知している。私も4年間判事を務めたが、体制転換後の20年間、憲法裁判所が国の価値観を判決の形で表明していた。憲法の上に憲法裁判所があり、憲法以上の権力を持っていた。新憲法によって、この上下関係を変えたに過ぎない。」と述べています。

ハンガリーの情勢について、まったく知らない私は、正直、どちらの言い分が正しいのかは判断しかねます。ただ、メディアの規制の部分などを読んでいて、なんだか日本も同じような状況なのかもと思わずにはいられませんでした。「視点」の部分でも、書かれているように、もはや傍観者ではいられないのかもしれません。

佐々木敬太郎


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