【今日の朝日新聞より】吾輩はロボになる「漱石アンドロイド」製作へ (2016.6.8-33面)

吾輩はロボになる 「漱石アンドロイド」製作へ
漱石に「笑って欲しい」 アンドロイド計画に孫・房之介さん

夏目漱石のアンドロイドが作られるという記事を見かけました。

製作に携わる大阪大学石黒教授と、漱石の孫で漫画コラムニスト・学習院大学教授の夏目房之介さんの会見の模様を伝えた記事でしたが、最初は「なんでわざわざ記者会見なんて開くんだろう?」「どの程度のアンドロイドを作るんだろう?」そういった情報があまり記事にはなかったので、正直、最初はこの記事の価値に疑問を抱いていました。

デジタル版に動画があるとのことで、気になり調べてみると、詳細の記事を見つけて納得。このプロジェクトは、漱石ゆかりの学校が音頭を取り、ロボット工学の第一人者と直系の子孫が手を組んで進められるとのことです。

石黒教授は、映像では伝わらない名人芸を後世に残すために、2012年落語家・桂米朝さんの「米朝アンドロイド」を製作。高座で「話す」姿は迫力十分だそうです。テレビでよく見る、タレントのマツコ・デラックスさんを再現した「マツコロイド」も石黒教授の製作みたいですね。

石黒さんはアンドロイドを、コンピューター技術で文化を後世に伝える「デジタルアーカイブ」の一種と位置づけています。「アンドロイドは、その人の存在感を伝えるには最適なメディアなんです」と記事で述べています。なるほど、アンドロイドを作る意味って、こういうところにあったんですね。

漱石アンドロイドを製作するにあたって、朝日新聞社所蔵の漱石のデスマスクや写真が活用されるそう。デスマスクを3Dスキャンして顔を造形し、さまざまな角度の顔が写った写真を見ながらシリコーンで覆います。顔を含め全身44カ所に空気圧を使うアクチュエーター(駆動装置)を入れ、人間に近い動きができるようにするそう。声は、房之介さんの声を収録・解析して作り出し、漱石作品を朗読するほか、簡単な会話もできるようにするようです。

こうして、アンドロイドを製作する意義や過程を知ると、とても興味がわきます。当面は製作する学校法人二松学舎の授業等で使用されるとのことですが、ぜひ一般公開してもらいたいものです。

 

佐々木敬太郎


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